めちゃくちゃブックス

読んだ本の感想やメモなど

ノンフィクション

「幕末奇談」子母澤 寛

子母澤寛といえば新選組三部作が有名だが、そっちは図書館になかったので代打のつもりで借りたのが「幕末奇談」である。 前半は「幕末研究」で語り口がいかにも江戸弁っぽい喋りの雰囲気の残る文章、後半の「露宿洞雑筆」になると、さらにくだけた調子で短い…

「世界の凋落を見つめて クロニクル2011-2020」四方田犬彦

四方田犬彦は一般的にさほど知られていない書き手かもしれないが、かれこれ40年くらい本を出している。ジャンルとしては映画論、漫画論、時評やテーマ別の評論、コラム集など。本書は「週刊金曜日」に書かれた10年分の時評をまとめたもの。集英社新書から出…

「津波の霊たち 3.11 死と生の物語」リチャード・ロイド・パリー

東日本大震災クラスの大きな災害は、立場によって意見や書き方にブレがあって、どれがスタンダードな、客観的な、きちんとした報告なのか、よくわからない。 この本はイギリスの文学賞を受賞したというので、それなりの客観性があるのではと考えて読んでみた…

「頭の良くなる薬」のような本

内田樹の文章や対談を読んでいると、特定の本を読むことで頭の回転がよくなる、という話が繰り返し出てくる。

「コテコテ・サウンド・マシーン」原田和則

先月から音楽関連の本ばかり読んでいて、すっかり音楽本売り場に行く癖がついている。買ったまま読みかけの本が何冊もある状態を気にしつつ「コテコテ・サウンド・マシーン」は書店で見つけて即座に購入した。

「YMOのONGAKU」藤井丈司

音楽について文章を書くのは難しいし、野暮ったいし、読むのも面倒、なぜなら音楽そのものを聴いている方が何十倍も何百倍も有意義な時間になるから。

「無限の本棚 増殖版 ─ 手放す時代の蒐集論」とみさわ昭仁

私は何かをコレクションするという資質や才能には恵まれていないらしい。しかし、コレクター心理や生態を描くたぐいの読み物は割と好きである。

「どこでも誰とでも働ける 12の会社で学んだ“これから”の仕事と転職のルール」尾原和啓

マッキンゼー、リクルート、Google、楽天、ドコモほか、数々の超有名企業を渡り歩いた著者の仕事術や考え方のあれこれを綴った本で、もっと難解なことが書かれてあるのかと思ったら、読みやすくてすぐ読了できた。

ストレートに事態が悪化する本

自分の住む市の図書館で、今月から読書会を開催できることになった。前々から「死ぬまでに一度は自分主催で読書会をやってみたい」と考えていたので、大げさに言うと「夢がかなった!」というレベルで喜ばしいことである。

連城三紀彦とか「人工知能」とか

最近、連城三紀彦の短編を読み直している。初期の作品のうち手元に6,7冊ほどあって、いずれも古い本である。

「すべての『笑い』はドキュメンタリーである」木村元彦

本書は放送作家の倉本美津留に関する本で、本格的な評伝というには量が足りず(そもそも存命の人物なので、そうならざるを得ない)、とりあえず生い立ちから現在までの大まかな報告のようになっている。

「僕がコントや演劇のために考えていること」小林賢太郎

小林賢太郎はコントや芝居、あるいは一人芝居風の独自のコントを行い、映像作品を作り漫画も描く人である。名前の通りクレバーで、物言いがシンプルでストレートで飾り気がない。

「凡宰伝」佐野眞一

「ブッチホン」をかけてくる人、とか「冷めたピザ」「鈍牛」「ボキャ貧」といった評言、そして「平成」と書かれた色紙を出した平成おじさん、として有名な総理大臣(だった)、小渕恵三の評伝。並行して何冊も本を読んでいるので時間がかかってしまった。

「ホラー映画の魅力―ファンダメンタル・ホラー宣言」小中千昭

「ファンダメンタル・ホラー宣言」という副題がついていて、中身はホラー映画を観たり作ったりに関する考察。

「俳優のノート」山崎努

山崎努がリア王を演じるための詳細な役作りに励み、準備、稽古、そして本公演開始から千秋楽に到るまでの日々を書いた日記。

「ナショナル・ストーリー・プロジェクト〈1〉」ポール・オースター

ポール・オースターがラジオ番組を通じて募集した、普通の人の身に起きた実話を集めたアンソロジーである。

「栗本薫 全著書レビュー」浜名湖うなぎ

最近「カクヨム」で文章を書いたり読んだりしているのだが、先日「栗本薫 全著作レビュー」という著書別のレビューを発見して、読みふけってしまった。長いシリーズものも1巻ずつレビューしているという労作である。

「十皿の料理」斉須政雄

「調理場という戦場」が面白かったので、すぐ購入、すぐ読了した。 内容は「調理場~」と重なる部分が多く、どちらかというとこちらの方が強い芯があり、濃い感じがする。

「調理場という戦場」斉須政雄

かなり前の「ほぼ日」の連載も読んでいたが、図書館の料理本のコーナーでたまたま書籍化されたものを見つけたので借りてみた。

「映画を撮りながら考えたこと」是枝裕和

本書は是枝裕和がその監督作品、テレビのドキュメンタリー作品などを振り返った本なので、代表作くらいは観ていないと意味がわからないかもしれない。創作全般に関して、あちこちに面白い箇所があったので、メモしておく。

「読む餃子」パラダイス山元

パラダイス山元はミュージシャンとして知られている他に、盆栽や温泉の本を出しており、さらに公認サンタ他あれこれと幅広い活動をしており、何がメインの仕事なのかちょっと把握しづらい。

「映画にまつわるXについて 2」西川美和

本書は映画監督の西川美和が、映画「永い言い訳」を製作した時期に書かれたエッセー集なので、7割くらいは本人による製作過程の報告のような側面もある。

「街道をゆく 31 愛蘭土紀行Ⅱ」司馬遼太郎

Ⅰの続き。面白そうな所をポツポツ拾い読みするのと、前から順番に読み進んでゆく読み方とを並行して行っていたので、いつのまに読むところが無くなったという変な読み終え方であった。

「街道をゆく 30 愛蘭土紀行Ⅰ」司馬遼太郎

山本夏彦より簡潔で辛辣なことを言っている本はないかと探し求めているうちに箴言集を読むようになり、さらに聖書を読んでいるうちに、なぜかケルト民話やファンタジーを読むようになってしまった。

「アイデアのヒント」ジャック・フォスター

広告関係の講座の講師を務めていたというジャック・フォスターによる本で、やはり広告業界周辺の話題が多い。

ゾンビ関連の本や映画あれこれ

日経新聞の6月13日の夕刊に「ゾンビ研究 世界で増殖」という記事があり、小説や漫画、研究書、映画などが幾つか紹介されている。ゾンビ物は自分も興味を感じるので、メモ代わりにここに挙げておく。

「自殺」末井昭

タイトルがストレートに「自殺」、テーマが一貫して「自殺」なので、重苦しい内容かというとそうでもなかった。

隠棲する人たち

池内紀の「亡き人へのレクイエム」「ひとり旅は楽し」の二冊を読んでいたら、両方に岩本素白の話が出てきて、ほとんど同じ内容の文章だった。

「少しだけ、無理をして生きる」城山三郎

今回で投稿数が100になるので、記念すべき100回目の更新に特別な本を持ってくるかというと、そういう余裕や感慨や特別企画のようなものはない。

「創造の狂気 ウォルト・ディズニー」ニール・ガブラー

およそ3分の1、第4章まで読んだ感想。ディズニーの伝記は徹底的に悪く書かれたものと、その反対の大甘路線のものとがあるようで、この本は偏りが少ないらしい。