池内紀の「亡き人へのレクイエム」「ひとり旅は楽し」の二冊を読んでいたら、両方に岩本素白の話が出てきて、ほとんど同じ内容の文章だった。
同じだから悪いと言いたいのではない。たまたま「ほぼ日」で写真家のソール・ライターに関するインタビューがあって、読むと岩本素白と一脈通じるような隠棲家タイプの人だったので興味を感じた。自分は時々やけに地味な研究者とか世捨て人的な生き方に惹きつけられる。
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読んでいる途中で柴田宵曲のことも連想した。博識で名文家で自著を出したがらないという点で共通しており、しかも二人は同じ時代の東京に生きていた筈である。
もしかしたら知り合いだったかも知れないと思って調べてみると「素白随筆」も「妖異博物館」も同じ1963年の刊行、しかしいずれにとっても主著の出たその年はすでに晩年なのであった。
素白の魅力に関しては多くの人が、静かに熱く語っている。
素白の目、素白の耳/高遠弘美
http://www.chikumashobo.co.jp/blog/pr_chikuma/entry/959/
最近はちくま文庫から選集も出ている。
それ以外は品切れ寸前といったところ。
池内紀が編んだアンソロジーもある。