最近、連城三紀彦の短編を読み直している。初期の作品のうち手元に6,7冊ほどあって、いずれも古い本である。
たとえば「夜よ鼠たちのために」でいうと、いま簡単に手に入るものは、2014年刊の宝島文庫だろう。
その少し前の2007年に、ハルキ文庫からも出ている。
夜よ鼠たちのために―連城三紀彦傑作推理コレクション (ハルキ文庫)
- 作者: 連城三紀彦
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 1998/11
- メディア: 文庫
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で、自分が持っているのは新潮文庫の1986年版である。
この本のお終いの方に、「新潮文庫 今月の新刊」のリストがあるので何となく目で追っていると「人工知能」という本があった。
コンピュータ自身が学習し、推論し、判断する人工知能(AI)。これまでのコンピュータとは全く異なった人工知能が、いよいよ社会生活の中に入りこんできた。本書は、いま実用化されつつある人工知能の具体的な製作過程の紹介を軸としながら、人類がこれまでコンピュータに求めてきたこと、そして人工知能が究極的にめざすものを、写真とイラストでわかりやすく説いた文庫オリジナル。
これはビックリである。86年といえば当時はまだ「人間に将棋で勝てるコンピュータなんて不可能!なぜなら持ち駒の再利用があるため」などと断言されていたような頃である。
その頃もう本書では自己学習的なことを言っていたらしい。しかも「いよいよ社会生活の中に入り込んできた。」などと2017年めいたことまで言っている。
調べてみたら86年4月、まさしく「夜よ~」と同じ月に発売されている。読んでみたいような、そうでもないような……。
ちなみに「夜よ~」はもっと前の83年に出ているのが最初らしい。