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読んだ本の感想やメモなど

「血の轍(2)」押見修造

 

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1巻で起きた「決定的!」と思われた事件が、さほど大事には到りませんでしたというのが2巻の前半で、こういう盛り上がりと盛り下がりはドラマを見ているような感覚に近い。

 やはり食事は1巻と同じく「肉まん」または「あんまん」(P.104)で、このままずっとこのメニューかと思わせるが、やや変わって進展を見せる(P.114)。

 

血の轍(2) (ビッグコミックス)

血の轍(2) (ビッグコミックス)

 

 

主人公の少年は、少しずつ母親の行為に異常性を感じているらしいので、じわじわと変化の兆しはある。ボケにツッコミが必要なのと同じで、狂気の人間には正気の側からの告発がないとバランスが取れない。ただ、それらしき描写はあるのだが、モヤモヤしたままではっきりした言葉や行動にならない。

その「ならない」レベルの心理描写に味があるので、そこが本作の読みどころと言いたい。しかし、それより速いペースで事態が進んで、主人公に好意を持つ同級生の女の子の訪問とそこからの推移を描く後半の展開は実に何というか、読者の予想を少しずつ、あるいは大胆に裏切って、軌道が変な風にずれていって、見たことのないような境地へと導いていく。

ここで出てくるラブレターの文面がやけにリアルで、迫真性があるせいでその後の展開がさらに引き立つ。

 

 

最終的に、何かはっきりした原因や謎解きは提示されないっぽい作りなので、今のところは期待半分、不安半分といった状態である(でも3巻は絶対に買う)。

 

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