めちゃくちゃブックス

読んだ本の感想やメモなど

ユーモアのある本 2016年

このブログはもともと「ユーモアのある本」というタイトルで始めたのだが、特にユーモアのない本も、新刊も旧刊も混ぜてしまえと考え直してタイトルを改めて、そうこうしているうちに本そのものを読む時間が減ってしまった。

しかし年間を通して振り返ってみると、それなりにユーモアのある本を買ってはいるので、自分の視野に入ってきた本を何冊か振り返ってみたい。

 

偶然短歌

偶然短歌

 

 

ウィキペディアから57577になっているフレーズを抽出してまとめた本。ツイッターで知っていたが、まとめて読んでみるとまた違った味わいがある。57577を引っこ抜いて提出する、という作業はプログラムで可能になっても、そこにユーモアや余韻を読みとるのはまだ(今の所は)人間の力で行っている2016年の末である。

 

 

将棋・B級戦法の達人 (マイナビ将棋文庫)

将棋・B級戦法の達人 (マイナビ将棋文庫)

 

 

以前、単行本で出ていたB級戦法の本が文庫化された。普通の将棋の本がシリアスな戦争映画だとしたら、都合のいい流れに乗ってホイホイと面白いように有利になってしまう、プロは指さないB級戦法は戦争コメディ&ミュージカル映画のようなもので、愉快で痛快で楽しい。

 

 

アリバイ・アイク: ラードナー傑作選 (新潮文庫)

アリバイ・アイク: ラードナー傑作選 (新潮文庫)

 

 

「村上柴田翻訳堂」から出た本のうち「アリバイ・アイク」はユーモアのある本好きには見逃せない。

 

www.shinchosha.co.jp

 

ミステリに出てくる「アリバイ」は「不在証明」だが、こちらは「言い訳」という意味で、失敗した時だけでなく上手く何かを行った時にすら言い訳をする奇妙な男の話のほか短篇が幾つかあって、小説とエッセーの中間のような味わいがある。

 

 

ドストエフスキー ポケットマスターピース10 (集英社文庫 ヘリテージシリーズ Z 1-10 ポケットマスターピース)

ドストエフスキー ポケットマスターピース10 (集英社文庫 ヘリテージシリーズ Z 1-10 ポケットマスターピース)

  • 作者: フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー,沼野充義,高橋知之,番場俊,奈倉有里,江川卓,小泉猛
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/07/20
  • メディア: 文庫
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集英社から「ポケットマスターピース」という分厚い文庫本のシリーズが出ていて、ドストエフスキーの巻に「ステパンチコヴォ村とその住人たち(抄)」が収録されている。確か丸谷才一が「ドタバタ喜劇」として紹介していて、前々から読みたかったので買ったものの、長らく読まないでいるうちに年末になってしまった。

 

 

モンティ・パイソンができるまで―ジョン・クリーズ自伝―

モンティ・パイソンができるまで―ジョン・クリーズ自伝―

 

 

ジョン・クリーズの自伝!年末に書店で発見して、即座に購入してまだ読んでいる途中である。お父さんが「ボートの三人男」を愛読しているとか、ウッドハウスの弟(!!)の話であるとか、全く期待を裏切らない内容である。読んでいて面白いとか可笑しいではなく、嬉しいという気持ちで一杯になる。

 

来年はユーモアのある本として「夫のちんぽが入らない」、「こんなブラック・ジャックはイヤだ」に期待している。

 

夫のちんぽが入らない

夫のちんぽが入らない

 

 

#こんなブラック・ジャックはイヤだ (エヌ・オー・コミックス)

#こんなブラック・ジャックはイヤだ (エヌ・オー・コミックス)

 

 

発売前から楽しみな本というのは久しぶりなので、早く年が明けてほしい。ではまた来年お会いしましょう。