本屋に行くと、将棋コーナー以外の場所で将棋の本を見つけることが時々ある。本書は中公文庫のビブリオというシリーズがまとまっている棚で発見した。
作家の 山口瞳がプロの棋士を相手に駒落ち戦を戦った記録である。
「山口瞳」なんて言うと、知らない人は高校生美少女作家とかアイドル小説家などというイメージを持ちかねないが、短躯で猫背で禿頭のオッサンである(自分でそう書いている)。
内容は、第一章を読んだ限りではさほど難しい内容ではなく、ユーモアエッセイ的な部分も多い。
将棋に関するエピソードで初めて読むエピソードやセリフがいくつかあった。
たとえば山本周五郎が将棋に負けた時のセリフ。
「将棋の強い奴にろくな小説書きはいない」
井伏鱒二が将棋に負けた時のセリフ。
「今日は散歩用の眼鏡を掛けていた」