読者モニターになったおかげで仕方なく「木曜殺人クラブ」を読んだ(注)が、あまり人に薦めようとは思えなかった。ところが同じポケミスの「拳銃使いの娘」を読んでみたら、これはテキパキした文章で面白く、ページ数は「木曜~」の半分だがほぼ一日で読了した。
刑務所から出てきた父親と、11歳の娘が命を狙われつつ逃げつつ攻撃するというサスペンスで「ペーパー・ムーン」「レオン」「子連れ狼」を意識して書いたというだけあって、話がテンポよく、スイスイ進む。
父親→娘→それ以外の人、という具合に視点がポンポン入れ替わるのもよい。脇役の熊のぬいぐるみも良い味わいで、絶妙の使われ方である。
アメリカの犯罪ドラマの脚本を書いていた人が最初に書いた小説が本作で、エドガー賞の新人部門の受賞作だとか。もともと犯罪系のドラマが好きなので、そういう意味でも趣味が合うらしい。
ちなみに脳内配役は父親=「マチェーテ」の俳優で、娘=(ナタリー・ポートマン+テータム・オニール)÷2 だよ!
(注)2020年の5月に当選したので読んだ。この日記は2020年6月のもの。