読書に関する対談、というよりジャンル別ブックガイド的な性格が強い本。
児童文学、少年小説、SF、ミステリという区分けの中で、ごくごく定番の、有名作を多く取り上げていて物足りなかった。
池澤夏樹は世界と日本の文学全集を編纂しているほどで、娘の池澤春菜は今や日本SFクラブの会長である。普通の人の1000倍は本を読んでいる筈なのに、ちょっとこれではなあ、と感じた。池澤春菜は四十代だというのに父親のことを「パパ」と言ってしまえるのは何かが間違っている気がする。
読書の世界には何となく「初心者向けはこれ」「やや上級者向きはこういう本」という階層がガッチリとあって、その層ごとにガイドしてもそれはそれでまたいま一つ刺激が足りないんだよなと考えていたら、まったく別の角度から本を紹介している書評の本を見つけた。この解決方法はちょっとした見ものなので、ぜひ強くお勧めしたい(次回をお楽しみに)。