・「ゴッドファーザー」の下巻に進むと、映画ではごく表面だけが描かれていた流れの水面下、さらに深層で何が起こっていたかまで細かく書かれている。
続きを読む「ゴッドファーザー(上)」マリオ・プーヅォ
・図書館に「ゴッドファーザー」の上下があったので借りてみると、映画でのミッドポイントになると思っていたシーンが上巻の最後の方にあって「やっぱり!」と思う。
・原作も映画も前半はタイトルの通り「ゴッドファーザー=ドン・コルレオーネ(=マーロン・ブランド)」という等式がガッチリできているが、後半はそれが揺らぎ、ひっくり返され、「ゴッドファーザー=誰である」という結論が出る方向に進むので、そういう点では「タイトルの意味がわかるまで」の物語になっている。
続きを読む「井上ひさし全選評」井上ひさし
「井上ひさし全選評」は大部だがスラスラ読めて、暇つぶしには最適の読み物である。この種の文章を一度に多く読むと、選評というよりゴシップの要素の方が強いような印象を受ける。
「あの有名な作家の誰それさんって、どんな小説を書いているんだろう」「評判になったあの作品、実際はどうなのかしら」という興味に一定の答えを与えてくれるので、作品そのものを知らなくても、何となく分かったような気にさせてくれる。
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