めちゃくちゃブックス

読んだ本の感想やメモなど

図書館の汚い本を読めばいい

「何か面白い本はないですか?」

「どんな本を読んだらいいのでしょう?」

この種の質問をされた時、あるいはそれに近い話題になった時、具体的に本の題名や作者名を挙げるのは虚しい。

そもそも人の好みというものは、顔つきや体つきと同じくらいバラバラで、同じである方がおかしい。

しかも本には入手しやすい本としにくい本があるし、値段も安いものと高いものがあるしで、その辺を全部まぜこぜにして話をするなんてできない。さらに、そういう質問や話題を持ちかけてくるような人間はもともと本どころか、新聞も雑誌も読まない、学生時代は教科書も読まないし自分で書いたノートも読まない、みたいなタイプが多い。

この手の方々に「図書館に行って、汚い本を読めばいい」というのは結構いいアドバイスではないかと思いついた。

なぜ汚い本かというと、多くの人に読まれているからで、それは面白いことの証しだから(図書館にある綺麗な本は、誰からも読まれなかった不人気作品である)。

もしつまらなかったとしても、半分くらいはこっちの責任でないような顔ができるし、逆に面白かったら感謝される(たぶん)。具体的な書名や人名は覚えられないという人にも言えるし、その人なりの判断を入れる余地もあるし、お金はかからないしで、万事うまく行く。めでたしめでたし。