内田樹の「困難な成熟」を読んでいると、以下のような文章があった。
自分が感じていること、考えていることを発表するときには、できるだけ「自分が死んだら、これと同じことを感じたり考えたりする人がいなくなる」ことだけを選択的に語るほうがいいと思います。
言われなくても自分の場合は、概ね他の人が感じたり考えたりしないような話題が多い。
と最初は思ったが、そう思っているのは自分だけで、読む人は「コイツはいつも他の人が言いそうなことしか言ってねえな」と思っているかもしれない。
もっと個人的な、狭い、特殊な感想を書きとめておかねばならない。
そう決心した次の瞬間に思ったことは「宇宙のランデヴー」というタイトルを見ると必ず「ラーマ奥さまインタビュー」を連想する、ということであった。
2130年、太陽系に突如侵入した謎の物体は、直径20キロ、自転周期4分という巨大な金属筒であることが判明した。人類が長いあいだ期待し、同時に怖れてもいた宇宙からの最初の訪問者が、ついに現われたのだ!
“ラーマ”と命名されたこの人工物体の調査のため派遣されたエンデヴァー号は、苦心のすえラーマとのランデヴーに成功、その内部へと入ったが…
ヒューゴー賞ほかあまたの賞を受賞した名作、待望の改訳決定版!
あらすじをご覧いただければ分かるように「ラーマ」という名前と、タイトルの最後の「ヴー」と「ビュー」が何となく似てますよ、というそれだけの繋がりによるものなのであった。