エイプリルフールというと、伊丹十三の「女たちよ!」で紹介されていた「スパゲティの木」が不作というニュースのことを思い出す。
本当に木からブラーンと、スパゲティが垂れ下がっている図(40秒くらいの所)はシュールで、笑い声が入る訳でもなく、本気で騙してやろうという信念が伺われる。
ウィキペディアにはこの放送の発想の元や詳しい顛末が書かれている。
この話は「パノラマ」のカメラマン、チャールズ・ド・イエーガーが子供の頃にオーストリアの学校で、教師にスパゲッティが木に成ると信じるほど馬鹿だとあざけられた記憶から思いついた[2]。
放送された4月1日に概算で800万人が視聴し、翌日には話の信憑性やスパゲッティの栽培方法、スパゲッティの木の育て方を尋ねる数百件の電話がかかってきた。伝えられるところによれば、BBCは「スパゲッティの小枝をトマトソースの缶に入れて上手くいくように願ってください」と回答した。[3]
放送された当時、イギリスでは1580万世帯中700万世帯がテレビを所有していた[4]。
私は伊丹十三の映画よりも、エッセーの方が長く親しまれ、愛され続けるものかとばかり思っていた。しかし昨今は映画もエッセーも忘れ去られているようで、少し残念である。「女たちよ!」には「再び女たちよ!」「女たちよ!男たちよ!子供たちよ!」といった続編的なタイトルの本もある。これはかつて人気があった証なので「ややこしい」とは思わないで勘弁していただきたい。