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読んだ本の感想やメモなど

「特捜部Q ―檻の中の女―」ユッシ・エーズラ・オールスン

 

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近所のブックオフに沢山ポケミスが入っていたので「特捜部Q ―檻の中の女―」を読んでみた。

本作は北欧ミステリを代表する人気シリーズの第一作ということで期待したのだが、割とあっさり話が進んであっさり解決してしまって、特に驚くようなツイストはなかった。

タイトルの通り、冒頭で監禁されて困っている女が登場する。この檻の中の女は誰なのか、読み進むにつれてきっとA子さんなのだろうと思っていると、「意外なことにB子さんだった!」という展開がないまま「やはりA子さん」という流れになるので少しもったいない。せめてフェイントで「もしかしてB子さんか?」と匂わせるくらいの技は入れてほしかった。

 

特捜部Q ―檻の中の女― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1848)

特捜部Q ―檻の中の女― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1848)

 

 

一方、その事件の捜査をする主人公のカールは、どうも偏屈な人間として作者が書きたがっている節があるものの、さほど偏屈ではなく、変人という風に書きたがっているらしい相棒のアサドも、さほどの変人とは感じられなかった。

この二人の捜査によって監禁されている場所が明らかになるのだが「この場所と思わせておいて実は!!」という展開があるかと思ったらなかった。これならかれこれ三十年近く前に書かれた「羊たちの沈黙」の方が洗練されている。

 

特捜部Q ―檻の中の女― 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕

特捜部Q ―檻の中の女― 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕

 

 

結局、チョイチョイ捻りを入れてくるのでは、という身構えた気持ちがみな空振りに終ってしまったので、自分が相当なすれっからしの嫌な人間のようにすら思えてきた。「何だかんだ言って、純粋無垢なウフェが最も怪しい」と睨んでいた自分は何なのか。それらの期待はずれな点や空振り感や自己嫌悪も込みで、最後の数ページだけは感動的だった。

ちなみに現在はシリーズ二作目以降も含めて、文庫になっている。