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読んだ本の感想やメモなど

「創造の狂気 ウォルト・ディズニー」ニール・ガブラー

 

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およそ3分の1、第4章まで読んだ感想。ディズニーの伝記は徹底的に悪く書かれたものと、その反対の大甘路線のものとがあるようで、この本は偏りが少ないらしい。

 

創造の狂気 ウォルト・ディズニー

創造の狂気 ウォルト・ディズニー

 

 

出版社からのコメントには、

 

ディズニーの伝記は公認本や暴露本など日本でも数冊出ています。本書は、ディズニー社の全面的な協力を得て必要な資料への閲覧を許されながら、同社の検閲なしで出版できました。そのため、ディズニーにとって都合の悪い話も描かれており、リアルです。

 

とあって、新聞の書評でも誉められていたので買ってみたのだが、今のところ「創造の狂気」というタイトルとはかなり遠い。創造的なアニメーションの製作というより、アニメーション製作のための資金繰り、交渉、駆け引きの方に奔走して、精神と体力をすり減らしているディズニーの姿が最も印象的(最初の製作会社は潰れ、二度目の会社は乗っ取られ、いま3つ目)。

4章辺りでやっと「ミッキーマウス」という不世出のキャラクターが人気を得て、「三匹の子豚」が大衆に受け、時代の風潮(大恐慌、経済政策)にうまく乗り、芸術的にも認められる。その辺りの成功話と並行して子供の流産、会社の乗っ取り計画との戦い、精神的にダウンするといった不幸も描かれる。大人気のミッキーもいつのまにか人間そっくりになっていたりして、まさしく「禍福はあざなえる縄の如し」といった人生である。

ディズニーは1901年生まれなので、西暦の下2桁と年齢がほぼ一致するため分かりやすく読み易い、という面もある。よくない点は、写真や絵が全くないこと、訳文で意味不明のものがいくつかあること。

 

注:この感想は2007年に書いたもの。本書の訳文は所々に欠陥や要約が含まれているらしく、原文と比較の上で訳し直した人もいるので、興味のある方は以下のリンク先(補完計画)をご参照ください。

ゲイブラー『創造の狂気』補完計画:ディズニー・スタジオの1920-30年代