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読んだ本の感想やメモなど

「SLAM DUNK 新装再編版 1」井上雄彦

「スラムダンク」は連載当時、どの辺りから読んでいたのか記憶が定かではない。

 

SLAM DUNK 新装再編版 1 (愛蔵版コミックス)

SLAM DUNK 新装再編版 1 (愛蔵版コミックス)

 

 

全国大会以降の試合はほぼ連載で読んでいた気がするし、後から単行本を読んで帳尻を合わせて理解したような記憶もあるのだが、最初の方はさっぱり読んでいない。

で、産まれて初めて第一話から順番に読んでみると、あくまでも桜木花道にとって世界の中心は一にも二にもハルコさんで、ゴリはバスケ部どうこう以前に「ハルコさんのお兄さん(兼バスケ部の主将)」で、流川は「恋のライバル(兼バスケ部のルーキー)」なのであった。

他にもバスケ部のマネージャーや、かの有名な安西先生も、この新装再編版の一巻で登場しているが、ほとんど「一応いる」というだけの脇役にすぎない。この段階から半年も経たずに(せいぜい4ヶ月)31巻の山王工業戦まで進むかと思うと奇跡である。安西先生の指導が良いせいであろうか。

後半は一応、バスケ漫画っぽくなってくるものの、正直なところこのまま不良青春ギャグ漫画路線のままでもいいんじゃないの、と思えるような雰囲気で、もしそうなっていたらいたで、そっち方面の名作になっていたのかもしれない(タイトルはバスケ用語っぽいが、喧嘩に明け暮れる不良ギャグ漫画)し、絵柄もさほど古さを感じさせない。

80年代の人気漫画の場合は、1巻と15巻あたりでは絵柄がまるっきり別人が描いているかのように異なる、というくらいの落差が珍しくなかったものだが(「ビー・バップ・ハイスクール」や「めぞん一刻」など)、90年代の人気漫画の場合は、最初から一定以上のレベルをクリアしているという印象を受ける。