本日は岩波文庫の誕生日で、90周年とのこと。人間でいうと卒寿である。
今日は岩波文庫の誕生日.読者の皆さまに愛され,お陰さまで90年を迎えることができました.今後も「読書子に寄す」の精神を引き継ぎつつ,後世に残すべき新たな古典をお届けしてまいります.ご愛顧のほどよろしくお願いいたします.☞ https://t.co/7ZXkSHob0p
— 岩波書店 (@Iwanamishoten) July 10, 2017
記念の日なので、岩波文庫で愛読している枕頭の書を挙げてみると、まずアランの「幸福論」。他社からも10冊以上、訳者違いの同じ本が出ているが、自分としては岩波文庫の本だという気がする。
それから「自省録」。読むと訳者の神谷美恵子にも興味関心が向く筈である。
- 作者: マルクスアウレーリウス,神谷美恵子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/02/16
- メディア: 文庫
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あとはモンテーニュの「エセー」。これも他の人の訳が出ているが、日本語としてこなれていて読みやすく、やはり岩波文庫の本だという印象が強い。
いずれも平易で簡明で、読んで疲れない文章なので、自分の理想と言ってよい。自然でスラスラ読める名訳、名文である。
逆に個性の強い文章も好きだが、自分の好みでいうと初期の大江健三郎、幸田文、野坂昭如などである。余談だが何となくこの三人は新潮文庫の人だという気がする。
大江健三郎はまだ岩波文庫の冊数が少ない。幸田文は岩波書店から全集が出ていて、文庫は少しだけ。野坂昭如は岩波現代文庫の方から何冊か出ているが、やはり厳密にいうと微妙に「岩波文庫」からは外れているのであった。
あくの強い、個性的な文章というと室生犀星も好きで、来月に「王朝小品集」が重版になるらしいので楽しみに待ちたい。
今夏の「岩波文庫一括重版」、好みのタイトルがいっぱいです♪ pic.twitter.com/NfztMYJTOC
— 敷島書房 (@jack1972frost) July 8, 2017