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読んだ本の感想やメモなど

「SLAM DUNK 新装再編版 2 」井上雄彦

 

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新装再編版の2巻は、前半がほとんど不良青春コメディ漫画のようなノリで、柔道部の勧誘を桜木が振り払うまでの話。以前も読もうと思えば読めた筈だが、ここはあまり読む気がせずにスルーしたのではないかと思われる。

とはいえ「ハルコさんの髪にゴリの顔」という夢の部分は見た記憶があるので、我ながらやや怪しい記憶である。

 

SLAM DUNK 新装再編版 2 (愛蔵版コミックス)

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今にして思えば、バスケの話題になかなかストレートに入って行かないのは不思議なくらいだが、当時は「バスケ漫画」で成功した先例がなかったので、バスケを知らない読者を引き入れるための布石としてこうしたエピソードが必要だったのだろうなと思わせる。私自身もバスケは中学高校の体育の授業でやったきりで、当時ですらサッカーと同じ感覚でタックルしたら怒られた記憶がある程には素人である。

で、あれこれあって柔道部のキャプテンの誘い(+ハルコさんの幼少期の写真の誘惑)を断り、桜木がバスケ部を選び「バスケットマンだからだ」という宣言をする。それを遠くからゴリも聴く場面があって、ここでついにハルコさんのためというより「バスケのためにバスケを選んだ桜木」になる訳だが、少し唐突な印象が否めない。一体バスケのどういう点に魅力を感じているのか、ただの負けず嫌いなのか、細かい心理がややはっきりしない。

しかしここから後はバスケの話に傾いて、基本的なシュートを学ぶ(が、なかなか上手くいかない)、陵南のデータマン・相田彦一(ドカベンの吾朗ちゃん風)が湘北にやって来て桜木を流川だと勘違いするというコメディ的な展開などを経て、陵南戦前夜~「試合の朝が来た―――!」というナレーションまでで2巻が終る。

 

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ここで面白いのは陵南のエース・仙道の姿が名前のみで姿がずっと伏せられている点である。あの髪型くらいはわかるように描けばよさそうなものだが、シルエットすら出さないのである。こういった「重要人物をあえて出さずにじらす」というのはよくある手法のようで、なかなか例を思いつかないが、あえて探すと映画「デーヴ」の副大統領がなかなか出てこない、というじらし加減くらいだろうか。もしかすると単に「仙道」というキャラクターのルックスが、直前まで決まらなかっただけなのかもしれない。