めちゃくちゃブックス

読んだ本の感想やメモなど

岩波文庫90周年

本日は岩波文庫の誕生日で、90周年とのこと。人間でいうと卒寿である。

 

 

記念の日なので、岩波文庫で愛読している枕頭の書を挙げてみると、まずアランの「幸福論」。他社からも10冊以上、訳者違いの同じ本が出ているが、自分としては岩波文庫の本だという気がする。

 

幸福論 (岩波文庫)

幸福論 (岩波文庫)

 

 

それから「自省録」。読むと訳者の神谷美恵子にも興味関心が向く筈である。

 

自省録 (岩波文庫)

自省録 (岩波文庫)

 

 

あとはモンテーニュの「エセー」。これも他の人の訳が出ているが、日本語としてこなれていて読みやすく、やはり岩波文庫の本だという印象が強い。

 

エセー 1 (岩波文庫 赤 509-1)

エセー 1 (岩波文庫 赤 509-1)

 

 

いずれも平易で簡明で、読んで疲れない文章なので、自分の理想と言ってよい。自然でスラスラ読める名訳、名文である。

 

逆に個性の強い文章も好きだが、自分の好みでいうと初期の大江健三郎、幸田文、野坂昭如などである。余談だが何となくこの三人は新潮文庫の人だという気がする。

 

大江健三郎自選短篇 (岩波文庫)

大江健三郎自選短篇 (岩波文庫)

 

 

みそっかす (岩波文庫 緑 104-1)

みそっかす (岩波文庫 緑 104-1)

 

 

骨餓身峠死人葛―野坂昭如ルネサンス〈6〉 (岩波現代文庫)

骨餓身峠死人葛―野坂昭如ルネサンス〈6〉 (岩波現代文庫)

 

 

大江健三郎はまだ岩波文庫の冊数が少ない。幸田文は岩波書店から全集が出ていて、文庫は少しだけ。野坂昭如は岩波現代文庫の方から何冊か出ているが、やはり厳密にいうと微妙に「岩波文庫」からは外れているのであった。

あくの強い、個性的な文章というと室生犀星も好きで、来月に「王朝小品集」が重版になるらしいので楽しみに待ちたい。

 

 

犀星王朝小品集 (岩波文庫)

犀星王朝小品集 (岩波文庫)