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読んだ本の感想やメモなど

乗っ取り系の話と川上弘美「これでよろしくて?」

 

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子供の頃、「魔太郎がくる!」には今ひとつ乗れなかったが「ヤドカリ一家」のエピソードだけはやけに強く印象に残っていた。

 

魔太郎がくる!! (7) (中公文庫―コミック版)

魔太郎がくる!! (7) (中公文庫―コミック版)

 

 

その後、中学の頃に乱歩が編集したアンソロジー「世界短編傑作集」の4巻で「銀の仮面」を読んで、何だこれが元ネタだったのかと知ることになった。

 

世界短編傑作集 4 (創元推理文庫 100-4)

世界短編傑作集 4 (創元推理文庫 100-4)

 

 

銀の仮面 (ミステリーの本棚)

銀の仮面 (ミステリーの本棚)

  • 作者: ヒュー・シーモアウォルポール,Hugh Seymour Walpole,倉阪鬼一郎
  • 出版社/メーカー: 国書刊行会
  • 発売日: 2001/11
  • メディア: 単行本
  • 購入: 1人 クリック: 3回
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同じような経験をした人は他にも多いらしく、その後は「魔少年ビーティー」などにまで影響関係が見て取れるそうである(自分は昔読んだが覚えていない)。

 

魔少年ビーティー (集英社文庫―コミック版)

魔少年ビーティー (集英社文庫―コミック版)

 

 

note.chiebukuro.yahoo.co.jp

 

これでよろしくて? (中公文庫)

これでよろしくて? (中公文庫)

 

 

 38歳の主婦菜月は奇天烈な会合に誘われて……日々の「?」をまな板に載せ、老若女女が語らえば--人との関わりに小さな戸惑いを覚える貴女に贈る、コミカルで奥深いガールズトーク小説。

 

川上弘美の「これでよろしくて?」は確かにガールズトーク小説ではあるものの、それはいわばレコードのA面にあたる面で、並行して語られるB面の流れの方は、上記の乗っ取り系の系譜に連なるような、日常の出来事の範囲内で起こるホラーめいた話になっている。

終盤で主人公とその相手とが、きちんと対決する形に一応なるのだが、迫力もスリルもあり、妙な可笑しさも同時にあって面白いし、そこに至るまでの事態が少しずつ深刻になるなり方も、解決のされ方もリアルでよい。

川上弘美の作品は小説もエッセーも、作り話めいた日記も(ついでに言うなら俳句すら)常にどこかしら乱歩の持ち上げた「奇妙な味」の成分が入っており、いま現在、日経新聞の夕刊に連載されている「森へ行きましょう」もやはり同様である。