2004年に書いていた読書メモから。
リンクは後に再刊されたものを含む。
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最近買った本。
1「対談 笑いの世界」桂米朝+筒井康隆
2「日本文化へのまなざし」司馬遼太郎記念講演録
3「殺人率 日本人は殺人ができない! 世界最低殺人率の謎」宮崎学+大谷明宏
4「東洋文庫ガイドブック」平凡社東洋文庫編集部
5「図録近世武士生活史入門事典」武士生活研究会
6「借家と古本」荻原魚雷
7「世界から言葉を引けば」石川喬司
どれも軽い読み物ばかり。
1で面白かったのは、小松左京の「果てしなき流れの果てに」の元ネタが森鴎外の「ぢいさんばあさん」だという話。
4は東洋文庫に収められている本がいかに面白いか、というエッセイと解説目録。読みたくて体がむずむずする。
たとえば「鏡の国の孫悟空」。
「アリス」より2世紀も前に中国で書かれたアリス的小説。孫悟空が夢幻世界で秦の始皇帝を探して過去・未来を冒険、虞美人や閻魔大王に変身する。綺想めくるめくノンセンス・ファンタジーの傑作を本邦初訳。
内田魯庵の随筆の紹介。
読書は、享楽、怠け者の怠け仕事。功利派からは渋面され、経世家からは軽蔑されても、好きに徹するのがいちばん。読書と銀座を愛した魯安が細やかに語る明治・大正期の東京物語。
「功利派からは渋面され、経世家からは軽蔑されても、好きに徹するのがいちばん。」という断言がいい。
そして「怠け者の怠け仕事」という、わかったようなわからないような言い回し。座右の銘にしたいほどである。
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「鏡の国の孫悟空」は後に読んだが、期待が大きすぎたせいか、さほど満足できなかった。
「殺人率」は「現代の日本は殺人率がたいへん低い」という主張をしていて、その後さまざまな機会に目にするようになった。全般的に当時のマスコミの論調には「日本は今、若者による凶悪犯罪が激増している!」というムードがあった。
2013年のデータを見てもかなり低いままである。