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めちゃくちゃブックス

読んだ本の感想やメモなど

小説

「江戸の爆笑力―時代小説傑作選」細谷正充(編)

ユーモア色の強い時代物の短編を集めたアンソロジー。 特に印象に残った4編のみ簡単にメモしておく。

「捜神鬼」西村寿行

西村寿行は70~80年代に活躍した人気作家なので、今やほとんど新刊書店では見かけない存在になってしまった。「寿行」という名前の読み方すら分からない、知らない、という人が多いのではないだろうか(「じゅこう」と読む)。

「流れる」幸田文

四十すぎの未亡人の主人公が、芸者置屋の女中となって働くという短めの長編小説。

「正義と微笑」太宰治

古い小説を読んでいると、今と価値観が違いすぎるために、うまく受け止めかねる珍妙な場面や文章に出くわすことがあります。そのような珍妙さをあざ笑うような態度には、どことなく育ちの悪さのようなものが見え隠れするので俺としては避けたいのです。

「鏡の国の孫悟空―西遊補」董若雨

平凡社の東洋文庫の記念すべき700巻目の本。「東洋文庫ガイドブック」で知り、面白そうだったので読んでみた。

「文体練習」レーモン・クノー

同じ内容を、違う文体で書き替える試みを何通りも並べた有名な実験文学にして奇書。それでいて少しも堅苦しくない。

「お菓子と麦酒」サマセット・モーム

これは面白かった。久々に小説らしい小説を読んだという感じ。 内容は、ある作家夫妻に関する回想回想また回想で、回想が小説の8割を占めている。

「ソーネチカ」リュミドラ・ウリツカヤ

10年以上も前に書いた読書記録を読み返していると、時々、ほとんど読んだ記憶のない本の感想が出てくる。クレスト・ブックスの「ソーネチカ」は読み終えた直後から「感想を書きにくい」と自分が嘆いている本である。

「僕はどうやってバカになったか」マルタン・パージュ

たまたま新宿の書店で見かけて、すごいタイトルに惹かれて買って、すぐ読了。これはなかなかの拾い物だった。

「流れる」の原作と映画

このところ以前書いた読書日記を読み返しながら、こちらのブログに移せそうな記事は移している。中には読んだことをすっかり忘れていて、新しい発見をしたような気になる本もある。

「静かな生活」大江健三郎

この小説は連作短編集で、7年前に買って半分ほど読んでそのままだったもの。それ以前に雑誌に載った段階で読んでいる短編もあるので、かれこれ15年くらいかけて1冊を読んだという、ちょっと変わった経験をした。

「細雪」谷崎潤一郎

このブログは最近読んだ本の感想と、十年ほど前に書いた読書日記の写しの記事とが混ざっている。混ざっていても何の問題もないのだが、「細雪」の場合は「上」「中」「下」に感想が分かれているので、一回にまとめておく。

「午後の曳航」三島由紀夫

このところ小説を読みかけても今ひとつ気が乗らず、途中で止めてしまうケースが多かったのだが、久々にすぐ読了。未亡人とその息子、及び海の男のほとんど3人しか出てこないし、長めの中編という程度の長さ。

「30の神品 ショートショート傑作選」江坂遊(編)

「ショートショート」というと星新一を少し読んで、他のSF作家の手によるものや、このジャンルの名作を何作か読んでお終い、というコースを辿る人がほとんどではないだろうか。

稲垣足穂とEsquivel(エスキヴェル)

以前とあるSNSで、 「稲垣足穂が生きていたら、どんな音楽に興味を持つか?」 というトピックを見かけた。

「変身」カフカ

精神的に落ち込んでいる時に何を読むかというのは重大な問題で、まず「感情を揺さぶる」ような本は避けたい。というより困るし、第一疲れる。

「夫のちんぽが入らない」こだま

本書は発売前から楽しみにしていたものの、まさか「はてなブログ」でトピックが作られたり、いきなり増刷になるほどの人気作になるとまでは思っていなかった。

ユーモアのある本 2016年

このブログはもともと「ユーモアのある本」というタイトルで始めたのだが、特にユーモアのない本も、新刊も旧刊も混ぜてしまえと考え直してタイトルを改めて、そうこうしているうちに本そのものを読む時間が減ってしまった。

「特捜部Q ―檻の中の女―」ユッシ・エーズラ・オールスン

近所のブックオフに沢山ポケミスが入っていたので「特捜部Q ―檻の中の女―」を読んでみた。

「刺青・秘密」谷崎潤一郎

最近ミンガスばかり聴いている。植草甚一の文章で「ミンガスは怒りっぽい。仲間のミュージシャンや客を怒鳴りつける」といった内容を読んで以来ずっと避けていたのだが、実際に聴いてみるとユーモラスな曲もあったりする。

乗っ取り系の話と川上弘美「これでよろしくて?」

子供の頃、「魔太郎がくる!」には今ひとつ乗れなかったが「ヤドカリ一家」のエピソードだけはやけに強く印象に残っていた。

2004年の読書メモ

2004年に書いていた読書メモから。 リンクは後に再刊されたものを含む。 ↓

「恥」太宰治

太宰治の「恥」は、ある女の子が太宰らしき人物(戸田)の小説を読んで、 「自分がモデルにされているに違いない!」 と熱烈に思い込んでしまうという短篇である。

「半島を出よ」の感想

以前「はてなダイアリー」を利用していたので、たまに古い日記を読み返すと面白い。 十一年前の今日(2005年3月29日)の日記を読んでいたら、その日は村上龍の「半島を出よ」を買っていた。

「変愛小説集」岸本佐知子(編・訳)

「恋愛(れんあい)小説集」ではなく「変愛(へんあい)小説集」である。 このタイトルは「恋」と「変」の字形がそっくりであるだけではなく、発音もそっくりで、さらには本質的にも似ていることを示唆している。

「花ざかりの森・憂国」三島由紀夫

2015年は三島由紀夫の生誕90周年で、没後45年にあたる。昭和と満年齢が同じなので、45年前の昭和45年に45歳で自決したという区切りの良さがある割には、さほど盛り上がりを感じさせない。普通の書店で「三島由紀夫フェア」をやっているかというと、全く気配…

「ロマネスク」太宰治

「ロマネスク」は短編集「晩年」に収められている短篇で、集中もっともユーモラスな作品である。

「女生徒」太宰治

6月19日の桜桃忌にちなんで、太宰治の小説を何点か採り上げてみたい。 太宰治というと、必ず代表作として「人間失格」「斜陽」「走れメロス」などが挙げられる。「苦悩して自殺した作家」というイメージだが、時代が下るにつれてそのような面の他に、面白い…

「20世紀イギリス短篇選〈上〉〈下〉」小野寺健(編訳)

タイトルの通りのアンソロジーである。 大抵の場合、アンソロジーには必ず「ユーモア枠」があって、全体の1割か2割程度は(ミステリやSF,ホラー系でも)ユーモラスな短編が入っているものだ。